2009-11-19

今日はそうなるべき

今日の朝、家から五反田駅に向かう途中、
歩道橋を渡る前辺り。

その付近にはいつもホームレスの人がいて
いつもの人かは分かりませんが
その人が、ハトたちにコッペパンみたいなパンをちぎって
与えていました。
コッペパンは、コブシくらいの大きさもあれば、一口大の大きさもあり
ハトの周りに散らばっていました。
ハトはほんの数羽しかいなかったのに
気前よくバッ バッとふるまっていた。

おじさんは
ホームレスでも3.5~4のレベル(※)で
腰も強く曲がって
まっすぐには立てないらしく、
手元の紙袋の中には新聞紙だけがぎゅうぎゅうに詰まっていました。

昨日の帰りに様子をちらと伺った時は
透明のビニール傘で寒さをしのいでいるみたいでした。
段ボールも毛布も無いみたいだった。


わたしはハトにあんなにたくさんパンを与えたら
自分の食べる分がなくなっちゃうじゃん! とびっくりして
心が絞めつけられて、目が腫れぼったい感じになりました。

むさむさした気分で歩道橋を渡りました。


そして帰り道。
いつもの場所を見ると、一人いらっしゃる。
朝の人だと思った。

通り過ぎながら考えて、セブンで肉まん2つと生姜のホットのお茶と
ブドウ糖飴を買った。

もっとおでんとか惣菜とかお菓子とかおにぎりとか
栄養剤とかジュースとかカップラーメンとかお餅とか考えたけど、
ずっと続くことでは無いし
余計にのどが渇いてもいけないだろうし
お湯や火は手に入らないだろうし
長持ちしそうなおにぎりやパンより
せっかくなら温かい物がいいと
そう思ってわたしは選びました。


戻ってみるとさっきと同じとこにいらっしゃる。
近づく。
おじさんは白い紙みたいなのから透明なフィルムを剥がしていた。
「今晩は、あの、今日の朝、ハトに餌をあげてらっしゃいましたよね。」
「…今日はあげてない。」
「いえ、あげてらっしゃいました。わたし感動したんです。
あの、これどうぞ。肉まんとお茶です。
毒とか入って無いんで、温かいうちに食べてください。」

"感動した"という言葉は適切な感じがしないのですが、
思いつかなかった。
おじさんはわたしが話しかけた間
今朝ハトに餌を与えていた時と同じ姿勢で
強く腰が曲がったまま、立って作業をし続けていた。
近くにはカップラーメンがあった。
お湯は手に入るのかな??


わたしは自分の為に、心を静めて温かいご飯を食べたいし
あのおじさんに何か幸せが起らないと
わたしはひどい衝撃と感動をもらったし、
(おじさんにとっての好きな日課であっても、ハトが友達であったとしても)
わたしが御飯を提供する事が傲慢だと思われても
最初からわたしの自己満足であるのでしょうけど、
おじさんの体はすこし温まるだろうと思う。

そうなことをやっても
ただに嬉しくて楽しい気分にはならないのです。
ただ、今日はそうなるべきことをわたしはやったと思う。

わたしも温かいご飯をいただきました。

※1はまだ服もきれいで喋れる。普通の人とあまり変わらない。
5は裸足で臭うし、服も破れているか、はだけているか。
正常に立てない状況の人。1から5の五段階でなんとなく見ています。

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